抜粋。
会話とお得感のだいご味
大阪・住吉大社の近くで育ちました。家の近所の商店街で買い物する時、母は「もっと勉強でけまへんか?」と店主とじゃれ合うのが常でした。
「これとこれと、これも買いますさかい」「もう、閉店でっしゃろ。残ったらどうするのん」と言って交渉するんです。無理な要求をするわけではなく、会話を楽しんでいるんですね。大人になった私が定価で何か買うと、「大名買い! そんなん子どもでもできるやろ」と注意されました。
東京のお店は、そういうスキがありません。築地の魚市場に行くと確かに安いけど、「二つで千円! どうよ!」と言われる。何せ、勢いがすごい。こっちもそれ以上、何も言われへん。
私は自分から「勉強して」とは言わへんけど、店主とぺちゃくちゃ話しながら、「勉強しまっせ」と言ってもらえるのを待つ方です。わずかな値引きでも、得した気分を味わうのが大好き。
今は、一言も口をきかずに買い物できる店が増えて、ちょっと味気ないですねえ。
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