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起伏に富む川西市の中・北部には「台」「丘」「坂」のつく地名が多い。1960年代後半から進んだ宅地開発で丘陵地が切り開かれ、一戸建て住宅が建ち並ぶ新しい街が次々と生まれた。60年に約4万人だった市の人口は70年に9万人、80年に13万人となり、今は16万人になった。(下)は市内別地域ゆえ、
市民のざっと4割が住む大規模団地では高齢化が進む。市北部の「大和(だい・わ)団地」(約4700世帯・約1万1500人)、「多田グリーンハイツ」(約6200世帯・約1万4800人)は入居が始まって40年以上。いずれも高齢化率は36%と、市平均の25%を上回り、今や住む人の3人に1人が65歳以上だ。
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9月下旬、大和団地第2自治会館は人であふれていた。月1度の「世代交流オープンカフェ」。おにぎりに、煮魚や白あえ、酢の物、みそ汁がついた昼食が1食300円。この日は200人近くが集い、持ち帰り用の100食も含め、用意された約300食が瞬く間になくなった。
もともとは高齢者を招いた食事会だったが、昨年4月からは誰でも参加できる形に変えた。カフェに訪れたノブコさん(88)は大阪で一人暮らしをしていたが、阪神大震災後に団地に引っ越して娘夫婦と暮らす。「いつも来てます。みんなと食べるとおいしいわ」
2階の調理室では、ボランティアグループ「ハイ・はい」のメンバー約30人が、3升炊きの炊飯釜で計50キロの米を炊き、配膳(はい・ぜん)に大忙しだった。代表の河崎輝子さん(73)は「『敬老のお祝い膳』にしたから遠慮もあったのかな、若い世代がいつもより少ないなぁ」。
結成から15年を迎えた「ハイ・はい」のメンバーは約110人いるが、70代の女性が中心で60代でも若いほう。
河崎さんらには目標がある。「子どもや若い人と顔見知りになり、『おばあちゃん、元気?』と声をかけてもらえるような街にしたい」
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会館1階の図書室の蔵書は約1万5千冊。子育て中の母親たちが本を持ち寄った子ども文庫だったが、今は自治会が運営し、1日平均50人近くが利用する。
「すごいでしょ。気軽に行ける図書室です」。運営メンバーの加田登茂子さん(67)は、33年前に大阪から転居し、一男一女を育てて巣立たせた。夫と二人暮らしをしていたが、2年前に長男(42)が団地内に家を手に入れ、妻と「Uターン」。1歳の孫娘がいる。
加田さんによると、かつてはお盆や年末年始は、新住民がそれぞれの故郷に帰って「ゴーストタウンみたいになっていた」という。今は盆踊りが年々盛大になり、新住民の子や孫の世代が団地へ帰省してくる。年末が近づくと、団地内の公園がクリスマスツリーの電飾で彩られる。「大和夢ナリエ」は3世代の絆(きずな)を強めようと企画されてから、10年がたつ。点灯式ではハンドベルの演奏の後、カウントダウンの合図で光がともされ、盛り上がる。
加田さんは言う。「街に魅力があれば新しい人も入ってくる。中にいる人が頑張って街の魅力を高めていくことが大切だと思います」
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10日に告示される川西市長選、市議選を前に、「不惑」を過ぎた「ニュータウン」の住み心地を考えた。(北村哲朗)
割愛。
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