MBS毎日放送:Voice
■「法改正で『迷い犬』の危うい運命」
マイクロチップを義務化するとか、
意図的に放置、遺棄した飼い主をブタ箱にほりこむとか、
その外にも、
もっと先にやるべきことがあると思うが・・・
パクリ元
■「法改正で『迷い犬』の危うい運命」
落し物の扱いを定めた法律の改正が、犬や猫にも大きな影響を与えようとしています。
飼い主とはぐれてしまったいわゆる「迷い犬」は、警察に落とし物として届けられて飼い主に戻ることも多いのですが、今度法律が変わると、保護の期間が大幅に短縮され、非情な運命をたどることになりそうです。
大阪府警大淀署に、とてつもなく大きな「落し物?」が届けられたという一報が入りました。
階段を下りていくと…
〈記者〉
「いましたいました。大きい!大きいです」
そこにいたのは白クマ?
じゃない、巨大な犬でした。
グレートピレネーズというフランス原産の、大型牧羊犬のオス犬で、体長1.5メートル。
5月8日、近くのホテルの前をうろうろしているところをベルマンが発見し、警察に届けたものです。
〈記者〉
「飼われていたようなので、おそらく相当訓練をうけているでしょう。ちょっと命令してみましょう。お座り、お座り!(お手をする犬)あ、お手?お手は成功です。お座りは失敗ですね」
お行儀はさておき、かなり人にはなれているようです。
〈記者〉
「久しぶりに人間と遊んで、かなり喜んでいるようですね。飼い犬です」
それにしてもこの大型犬、飼えなくなって捨てられたものなのか?それとも逃げ出してきたのか。
手がかりはチェーンの首輪と、リードの切れ端だけです。
〈犬の世話係〉
「なるべく早く落とし主さんに戻してあげたい」
大阪府警には昨年だけで4,000匹もの犬が、拾得物、いわゆる落し物として届けられています。
今の法律では飼い主が現れるまで最長2週間、警察で保護することになっています。
ところが、実は今国会で法律改正が行われ、保護期間が大幅に短縮されるかもしれないのです。
「遺失物法」という法律で、改正案によると、落し物の預かり期間が半年から3ヵ月に短縮され、傘や自転車などは2週間で処分できるなど、警察の手間が大幅に省けるようになります。
問題の犬については警察で2週間、その後、保健所が引き取っていたのが、今後は直接行政が届出を受け付け、保護期間も短縮されます。
〈大阪府健康福祉部・長濱伸也氏〉
「犬、猫については公示期間を設けまして、3日後には処分できるというようなルールになっています」
ということは飼い主が現れなければ…たった3日で「処分」されるってことです。
これには愛犬家たちもびっくり。
〈愛犬家〉
「そんなんかわいそうやわぁ。そんなすぐ探されへんもん」
「3日になったら飼い主も探しきれないですよね」
確かに犬の行動範囲は不確かなことも多く、最寄の警察や保健所に保護されているとは限らず、すぐに探し出せるとは言い切れません。
ただこれまでは警察に届けられた犬は、およそ7割から8割が飼い主のもとに返っていました。
これも2週間という保護期間があったからで、それが3日になれば…
〈動物愛護団体代表・甲斐尚子さん〉
「飼い主がたどりついた時にはもう処分されていた。というおっかないことも起きると思うんですね。本当の意味でかわいそうな動物と飼い主が増えていくと思うんです」
元気に飼い主を待つこのグレートピレネーズも、法律の改正後だったら行政に持ち込まれ、とっくに処分されていたことになります。
行政側も、今回の法改正の影響を懸念しています。
〈大阪府健康福祉部・長濱伸也氏〉
「(迷い犬の届け出は)警察では土日、休日、夜間等の対応をしているので、府民からの対応もできるんですけど、(府ではできないので)若干、(迷い犬の発見者に)迷惑をかけることも十分考えられる」
民間の動物愛護団体も事情は同じです。
飼い主が現れるまで預かる保護施設も、迷い犬であふれかえっているのです。
(ハッピーハウス・加賀爪啓子さん)
「見てもらったら分かるんですけど、施設の中はいっぱいでスタッフも人手不足というのが現状です。受け入れ態勢を整える準備が今のところできないです」
さらに、もう一つ問題があります。
迷い犬を見つけて親切心から届け出ようと思っても、そこで難しい選択を迫られます。
【質問】
『見つけた犬が3日たてば処分されるとしたら、あなたは届け出ますか?』
〈街の人〉
「ほっとく。その方が生き延びられるんじゃないかな。と」
「寮生活なので引き取ることができないんですけども…。どうしようもないですよね」
「見て見ぬふりもできないですしね、どうしたらいいんでしょうね」
ドッグトレーナーの松尾裕弥さんは、愛犬家に次のようにアドバイスしています。
1.飼い犬を逃がさない
「散歩の時には、しっかりリードをつけましょう。二重にするとより安心です」
2.鑑札をつける
「鑑札を首輪につけておけば、万が一逃げ出してもすぐに身元がわかります」
迷ったが最後。
保護された犬が飼い主と再会できる確率は確実に低下します。
探しているうちに処分されてしまったという悲劇を起こさないために、しっかり飼ってほしいと犬たちは訴えています。
マイクロチップを義務化するとか、
意図的に放置、遺棄した飼い主をブタ箱にほりこむとか、
その外にも、
もっと先にやるべきことがあると思うが・・・
パクリ元
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