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日常から離れホテルで心身リラックス
「ひとり」求める男たち
う〜〜〜〜〜ん、
高級ホテルやメンズエステは、当然要らんけど、
たった一人の時間、憧れますです、年とともに・・・
日常から離れホテルで心身リラックス
「ひとり」求める男たち
たまには仕事や家族から離れて、ひとりになりたい。そんな男たちはいま、ホテルの一室を目指す。非日常的空間で味わう「最高のぜいたく」とは——。
(森本美紀)
◇
シックな色調の室内。柔らかな照明に映える山吹色のクッションソファ。眼下には、灯が瞬く夜の銀座のパノラマが広がる——。
イタリアのデザイナーがプロデュースした東京・銀座のホテルの一室。午後10時。出張先の仕事から戻った京都府の会社員中川隆文さん(51)は携帯電話の電源を切り、20階のシングルルームから外を眺めた。これから1日余りが、家族からも仕事からも解放された1人だけの時間だ。
「いつもは食べないから新鮮」だというコンビニ弁当を広げ、32インチの大型液晶テレビを見た後は、ぜいたくな気分でバスタイム。ベッドで、ただボーッとする。
「だれにもじゃまされず、何もしない1人の空間と1人の時間は最高のぜいたく。心も体もリラックスして、新鮮な気分で仕事や家族に向き合えるようになります」
コンピューターのソフトウエア会社のシステム管理部門の部長だ。平日の帰宅は深夜近く。土曜も出勤という多忙な日常から逃れ、「非日常」を満喫できるのが、出張先のシティーホテル。家族も公認のリフレッシュだ。
出張は月に1、2回。本社や営業所のある東京や四国に赴く。とんぼ返りもあるが、金曜日が仕事なら1泊延長。夜は部屋でくつろぎ、土曜日は観光や食べ歩きで過ごす。
利用したホテルはすでに30以上。ネットなどで調べ、30〜35平方メートルと広く、眺望のよい高層ホテルを選ぶ。1泊料金の上限は2万円と決めている。出張経費で賄える宿泊代は1万円なので、自己負担は最大1万円だ。朝食メニューの比較など体験記を投稿サイトに書き込むのも楽しみの一つだ。
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「このあいだは悪かった。ごめん」。大阪市に住む三菱UFJリサーチ&コンサルティングのチーフコンサルタント蒲田善行さん(49)は、出張先のホテルで妻と4人の子どもに手紙を書くのが習慣だ。「最近考えていることや、ふだん言いづらいことを書いて、おみやげと一緒に渡す。家族も喜んでくれます」
出張は週に1回程度。仕事が朝早い時は前日の夜に宿泊する。読書好きで、浅田次郎や宮部みゆきらの小説に没頭できる貴重な時間だ。予算は1万〜1万5000円。経費を超えることもあるが、自腹を切るのは2000円程度という。
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出張先だけではない。コンサルタント会社社長家弓正彦さん(46)の定宿は、会社にほど近い東京・新宿のヒルトン東京。自宅は神奈川だが、今年から男性向け宿泊プランを使い月1回ほど利用する。
選んだ部屋はエグゼクティブフロアの34階、ジュニアスイート(44平方メートル)。1泊約3万9000円。夜、部屋に入ると特典のシングルモルトウイスキーをグラスに注ぎ、ソファに身を沈める。気が向けば、バーでジャズを聴いたり、シガーをくゆらせたり。
「翌日は仕事なので、リラックスできるのは夜の数時間。それでも、ふだんの行動範囲の中で仕事の喧騒(けんそう)から離れ、まとめて自分の時間がとれる至福の時です」
■美肌・フィットネスも
各地のホテルの男性向け宿泊プランも続々=表左参照。
「男の美肌」。ロイヤルパークホテルが1日始めるメンズエステ付き宿泊プランだ。サロンで老化防止のフェイシャルトリートメントが45分受けられる。世界のセレブも御用達というスイスにある会社のエステだという。
「男性化粧品が普及し、『きれいになりたい』とサロンを訪れる男性が増えている。プライベートでホテルを利用する男性客を掘り起こしたい」と同ホテル。
ヒルトン東京は、昨秋から始めた男性プランが好調。今年3月からは付加価値の高い「男の時間—Myプレシャスtime」を売り出した。
ウイスキーやフィットネスセンターの無料利用がつき、3450円で洗車やランドリーサービスなども選べる。40歳前後を中心に、月に10〜20部屋の利用があるという。
男性向けの宿泊プランが登場したのは3年ほど前。都内のホテルから徐々に全国に広がった。十数年前に登場した女性プランがホテルの定番に成長したのに対し、男性向けは後発組だ。「男性は釣りや車など趣味が細分化しているため商品化が難しかった」(都内ホテルの担当者)。
ところが、昨今は男性用化粧品の市場が拡大し、自分磨きを「かっこいい」とする男性が増えた。1人空間と1人時間への投資に積極的な男性も目立ち始めたことから、ホテルも対応し始めた。
加齢臭を除くうなじ&背中ケアやマッサージチェア付き客室(ホテル日航大阪)、マイナスイオンの空調や多機能シャワー(ホテルオークラ東京)、サイズの大きいライティングデスクや安眠仕様のベッドと枕(ホテルニューオータニ博多)など、各ホテルは特典に知恵を絞っている。
■何もせず心の浄化 諸富祥彦・明治大学文学部教授
会社では人間関係に疲れ、家に帰れば妻の小言。子どもの将来も頭が痛い。終身雇用が崩れ、いつリストラされるかもわからない。そんな男性の心理を『「孤独」のちから』などの著作のある諸富祥彦・明治大学文学部教授(臨床心理士)はこう説明する。
「弱みをだれにも見せられず、ストレスを抱えた男性たちが求めるのは心の浄化作用。1人で何もしない空間と時間の中で、自分と深く対話し、日常の中でたまったウミをはき出しているのです」
長く続いたゼロ金利時代。貯金をしても利息なし。それなら小遣いの範囲内で、仕事の合間に異質な空間に身を置きたいと願うのは当然かも。
「デフレ時代のプチぜいたく。本当の豊かさとは、生活の質を高めることだと気づき始めた。1人はさみしいという固定観念から脱却し、孤独を享受するのは文化の熟成の表れ」と諸富教授は話す。
■参考情報
財団法人日本交通公社の01年10月〜04年9月の調査=上グラフ=では、ひとり旅経験率、ひとり旅比率は全体・未婚・既婚とも、男性が女性を上回る。男性の動機は「日常生活から解放されるため」(36.3%)がトップ。「何の予定もない時間を求めて」「自分を見つめるため」など自己探求的な傾向が強い。(c)朝日新聞
う〜〜〜〜〜ん、
高級ホテルやメンズエステは、当然要らんけど、
たった一人の時間、憧れますです、年とともに・・・
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